一級建築士試験 製図独学に使えるおすすめのテキスト|参考書・問題集の発売時期と特徴

テキスト一級建築士試験

こんにちは!けんちく太郎です!(@acedesign_I)

一級建築士試験の最終関門である製図試験ですが、学科試験とは異なり独学での合格は難しいと言われています。
学科試験独学合格された方の中には、独学で挑んでみたいものの周りに独学者がおらず、何から進めて良いか迷われている方も多いかと思います。
製図試験の独学がほぼ不可能と言われている一番の要因は、課題文が手に入らず、また添削が自己採点になるため合格するためのスキルが身につかないためだとされています。

しかし、やる気次第では市販されている問題集やインターネット上の情報、それに資格学校の参考書や過去受験の先輩、同時に受ける同僚などから十分な情報を得ることは可能であり、独学で挑むからには、それらの情報を収集できるかが独学者の合否を大きく左右します。

そこで今回は、市販されているテキストについて、それぞれの特徴と発売時期をご紹介し、どのタイミングでどれを使うことがお勧めか、私が独学ストレート合格した際に使用した参考書のレビューを交えながらご紹介したいと思います。

 

1級建築士設計製図試験課題対策集 日建学院教材研究会

二大資格学校の一つである日建学院が一般向けに販売している問題集です。
おそらく、市販問題集の中で最も使われているのはこの問題集ではないでしょうか?
発売日は8/26(2019年)なので、盆休み明けにはなってしまいますがなんとか8月から対策を始めることができます。

内容ですが、本試験課題に沿った問題が4つと原寸大回答用紙、A2答案用紙が4枚ついてきます!
また、付属のハガキにて申し込めば、「早期対策課題」とエスキス手順解説『DVD』&動画視聴URLをもらうことができますのでぜひ申し込みましょう!
また、例年日建学院が開催している製図オープン模試の割引券が入っていますので、模試を受ける予定のある方はお得なのでぜひ活用してください!(個人的にはこの模試は絶対受けるべきだと思っています)

私も市販の問題集の中ではこの本に付属している課題を最も多く解いたと思います。
課題数は多くやればやるほど様々なパターンに対応できるようになるため、4課題手に入るというのは独学者にとってはありがたいです。
また、解答例が原寸(A2)で入っているので、完成図面のイメージがしやすく大変参考になります。
もちろん書き方やエスキスのコツ、注意事項なども丁寧にまとめられていますので、極論これ一冊でもそれなりにできるようになります!
1点注意が必要なのが、解答例に若干怪しい部分があることです。製図試験は採点方法が公開されていないため各学校で採点基準を持っています。このテキストでもそれに沿って解答例を作っているようですが、非居室経由の避難など実務を鑑みるとグレーな部分がある印象がありました。ですので、これに限らず模範解答も必ず内容を確認されることをお勧めします!(もちろん1発アウトになるようなものではなく個人的に気になったレベルだと思います)

とはいえ、どの本を買おうか迷われている方には1番おすすめの問題集です!
学校に通われている方も腕試しに解いてみてはいかがでしょうか?

 

1級建築士設計製図試験直前対策と課題演習 設計製図対策研究会

季刊ディテールで有名な彰国社から発売されている課題集で、1冊に予想問題が6問もついてくるため市販されているテキストの中では最もお得な問題集といって過言ではありませんでした。
しかも、それぞれの問題がバラエティ豊かなためこれらを解くことで様々なパターンに対して対応可能となるすぐれた問題集だと思います。また、発売日が8/22(2018年)のため日建学院とともに8月中に対策を始めることができます。

ただ、残念なことに令和元年度は発売中止となってしまったようです…
上では参考までに昨年のリンクを貼っています。

残念ながら今年は課題を手に入れることはできませんが、図面の書き方のポイントや、記述のポイントなどの解説はわかりやすく、上の日建学院のものとも違う視点で書かれていたりしますので、中古ででも手に入れて確認されると良いと思います。

 

ここまでは毎年学科試験直前に発表される出題内容にあった問題集で、これ以下でご紹介するものは一般的な解き方のコツなどをまとめた参考書になります!

一級建築士製図試験独習合格テキスト2019年版 雲母未来

この参考書は、パーツ集が豊富で役に立ちます。
階段やエレベーターなどのパーツは、ある種パーツを覚えて組み立てるパズルのようなものです。

上でご紹介した出題内容に合った問題集が発売されるまで時間があるため、まずはこのテキストを読み込み、どの課題でも共通のパーツの寸法や図面の基礎的な書き方を学んでおくことをお勧めします!課題発表を待ってから編集・発売する問題集と異なるため、2019年版は6/11に発売されています。学科試験終了後対策をすぐに始めたい方や、学生のうちから勉強しておきたい方にお勧めです。

 

一級建築士本試験TAC完全解説学科+設計製図2019年度 (TAC建築士シリーズ)

このテキストは、何より他のものより安く、また製図のみではなく学科についても解説されているため、かなりお得だと思います。
一級建築士対策を何から始めれば良いかわからない、受験しようと思っているが独学か通学か悩む、という人もこの参考書を読んでみれば試験の雰囲気がわかるのではないでしょうか。

一級建築士合格戦略製図試験のウラ指導2019年版 教育的ウラ指導

少し怪しげ?な名前の本ですが、実ははじめの方に漫画がついていたりしてかなりフレンドリーな参考書です。 笑
東のウラ指導、西の製図試験.comと言われている(独学者の一部ですが)ウラ指導の出している参考書です。ウラ指導はこの本の出版の他にネットを使った独学者支援問題や模試・都市部では講演等もしています。

私も予想問題が欲しく、ネットで少しお世話になりましたが体育会系と思いきや少しのミスに対して事務的、添削も疑問がありあまり馴染むことができませんでした。。
とはいえ良質な問題を出されていると思いますので、この参考書で興味が湧いた方は申し込みも検討されてはいかがでしょうか?
ちなみにこの参考書も試験課題とはリンクしないため2019年は6/21に発売されています。

 

一級建築士設計製図試験ステップで攻略するエスキース 山口達也

西の製図試験.comの代表である山口達也さんが出している参考書です。(ちなみにこの方、関空設計時にレンゾピアノの元にいた方です)
内容はこれまでご紹介したものと大きく異なるわけではないので、言い回しや解説方法など好みでお選びいただければ良いかと思います。
ただ、学校としては西と東で特色があり、この製図試験.comではチャット形式の解説も格安でやられていて面白いです。(私も聞きました)

この記事の目的から少しそれますが、一度課題解説をお聞きになるのも良いかもしれません!
また、メルマガもフリーなので是非登録してみてください!

 

まとめ

以上のように、市販されているテキストはそう多くはありません。また、問題集に至っては日建学院の1種類しかありません。

製図の資格学校に通うことに比べれば格安なので、それぞれ特色がありますので予算が許す限り買い集め、見比べて予想問題は何周も解くことをお勧めします。
それぞれ似たようなテキストですが、書き方のコツや考え方のコツなどほんの1ページに書いてある内容でスピードが変わることもよくあります。ですので、見比べることが力にもなります。

全て解いていき一巡した頃には与条件の出し方の違いから混乱する部分が出てくると思います。(例えば室一覧にゴミ庫と書かれていたり、それ以外の場所にゴミ置場と書かれているケースなど。ちなみに、この場合は、ゴミ庫は建物内に室として設ける、ゴミ置場は外構の植え込み等の一部に場所を設けるといった違いです)
表現の要否について迷った時、出題される内容の認識について迷った時などは建築技術普及センターのHPに掲載されている過去3年分の過去問と標準解答例を照らし合わせながら確認してみてください!
そのようにして疑問点を一つづつ潰していくことで、自ずと力がついてきます!

また、同時期に受ける仲間がいるのであれば問題を見せてもらう事も手かもしれません。(多くの資格学校は問題等の譲渡、売買を禁止していますので双方の自己責任で判断ください)

問題を複数解いていくと、エスキス・記述・作図それぞれのスピードが上がることは勿論、問題文のルールやそれぞれの出版社による出題方法の違い、表現方法についての迷いなども出てくると思います。
そこまでくれば力がついてきた証拠なので、迷わず〜から公開されている過去3年分の過去問の標準解答例を参照して研究してみてください!

独学者は手に入れづらいかも知れませんが、各資格学校はそれよりも昔の過去問と生徒の再現図面をまとめた冊子を作っていますのでこちらを参考にするとより分かりやすくお勧めです!(表現については、資格学校の特色が混じった生徒の図面ではなく、標準解答例をご参照ください)

因みに私は製図試験コースについて営業を受けた時にいただくことができましたので、一度問い合わせると良いかも知れません!(公式HPでもプレゼントキャンペーンについて書かれていますのでご確認ください)

学科試験〜製図試験は初受験時には時間がありません、一日一日を大切に試験対策を行い合格を掴み取ってください!