一級建築士試験 受験資格が緩和されることによって何が変わるか|影響について予想

考察一級建築士試験
こんにちは!けんちく太郎です!(@acedesign_I)
これまで受験資格要件であった学歴や職歴が、来年から登録要件になる可能性が高いです。
この改正によって在学中の大学院生が受験できるようになります。
そこで、今回はその影響について考えてみたいと思います。(※個人の予測の域を出ないことを始めにお断りしておきます)

受験資格はどう変わるのか

今までの受験資格要件であった、大学院や大学などを卒業してから数年の実務を経たのち受験資格が得られて受験できるという仕組みが変わり、大学等卒業後すなわち大学院在学中でも受験できるよう建築士法が改正されます。

試験への影響

この改正の目的通り、受験資格保有者数はほぼ確実に増えるでしょう。
また、合格者割合ですが学科18%程度、製図40%程度というのは据え置きにして受験者数増加分だけ合格者数が増えると予測します。
平成21年の改正時(問題数科目数が100問から125問に増えた)は学科の合格基準点が97点とそれ以降の水準より高止まりする事態が起きました。
今回も、改正時初回は何かしら波乱が起こると思います。
その一方で、問題を難しくしすぎると本来の受験者の能力を測ることが出来ないため、試験難易度としては例年と同等レベルとしつつ、基準点の引き上げで合格率調整をするのではと予測されます。

大学院生はどうするか

有名アトリエやスーパーゼネコンや大手組織設計事務所を狙っている学生は、設計の成績やコンペ等受賞歴が重視されることには変わらないため、あまり全体として積極的に受験することは無いと思われます。(より多くのコンペを出して入選する方が、就活上ポイントになるため、受けても本腰入れて合格する気で挑む方は少数では無いでしょうか。)
一方で、それらの成績が芳しくなく学校の箔としてもあまり期待できないような方は、履歴書の得点を上げるために積極的に受けられることもあると思われます。
また、雇う側としても一級建築士の有資格者が数人の事務所などでは、今後試験合格済みの人材というのは重宝されることと思います。
どちらも大切なことであり、自分の状況を鑑みて受けるかどうかを考えられれば良いと思います。
そのうち大学でも一級建築士試験対策講座をやるかもしれません。(現に、大学別合格者数が公表されており、これが学校の学生集めの売り文句としても使われているため、学校としても対策するメリットがあります)
蛇足ですが、資格学校手当や合格手当、勤務時間で勉強が出来るなど会社により様々な制度がある会社もありますので、損をしないよう事前に調べることをお勧めします!

資格学校の対応

昨今、資格学校の多様化、独学支援コースなどコースの多様化が著しいですが、この改正についても各学校適したコースを作られているようです。
学生向けに低価格のコースも作られる可能性が大いにあるため、通学予定の方は一度ご検討されてはどうかと思います。
気をつけないといけないのが、卒業設計展等今までもスポンサーなどで個人情報を集めたり勧誘をしている学校がありましたが、今後は今までより学生獲得競争が激しくなることが予測されます。
試験ついてあまり分からないことをいいことに「今申し込まないと割引が終わるため損をする」、「学校に行かないと絶対受からない」など様々な口説き文句でセールスされると思いますが先輩など信頼できる筋から情報を集めて、セールストークに惑わされないようにしましょう。
一級建築士試験はやる気さえあれば、現在でも独学で合格可能です!

まとめ

一定の年数ごとにやってくる、変化の年は試験に関する情報が少なく不安になりやすいですが、その条件は基本的には全員同じです。
今回の改正については以下で詳しく解説していますが、
高齢化する建築士有資格者数を増やすために、多忙な社会人になる前に受けさせようというのが主な趣旨です。
よって、合格者数は増加し、合格率はそう大きく変わらず合格人数が増えると思われます。
ということは、周りや改正のことは側に置いておき、単純に今までの基準より少し余裕を持った点数(100点以上目標)を取れるように勉強するだけでいい、と言えるのではないでしょうか。
試験はライバルとの戦いと同時に自分との戦いです。
良い情報を取り入れつつ、効率よく勉強できるよう頑張ってください!