一級建築士 製図試験の合格率は約4割もあります!|製図試験のランク付けを分析

一級建築士試験

こんにちは!
一級建築士試験の鬼門である製図試験ですが、実は合格率が4割程度と決して低くない数字です!
では何故1次の学科試験より難易度が高いと言われているのか、考えてみたいと思います!

 

周囲の声

やはりこれが大きいのではないでしょうか。
実際私の周りでも、稀に学科試験を独学でクリアする人はいましたが、製図まで独学で挑んだ人は皆無でした。(試験制度見直し前の記述がない時代では数人知っています)

一級既得の先輩数人からも「独学は不可能、時間が勿体無いから学校に通うべし」と諭されました。
私も先輩たちの話を聞いて少し悩みましたが、資格学校の費用は製図が高いことや、製図板を持ち歩くのが嫌だったこと、また過去問の模範解答を見る限り少し勉強すれば描けそうだと思ったことかあら結局独学で挑むことにしました。

また、大手資格学校2社それぞれの営業マンともお会いしましたが、1社は「製図試験見直し後の製図独学合格者見たことがない、うちでなくても他に通わないと不可能だ」と言われ、またもう1社からは「過去1人しか見たことがない、その人もたまたま合格しただけだ。独学で試して見るのは結構だが、落ちたら来年はうちに通おう!」と言われました。

これだけ無理無理と言われると挑戦心がくすぐられるもの。
結果独学合格することができ、無理と言われたことが余計合格の喜びを大きくする結果となりました。

 

採点およびランクについて

続いて採点方式ですが、減点方式と言われているものの詳細は公表されていません。
そのため資格学校も各社分析を重ねて独自の採点法を作っています。
各資格学校の即日回答や練習問題の採点を見比べても、それぞれの採点法が異なるため自ずと回答も異なるというのが実情です。

また、結果発表としては以下のランク付けがなされます。
ランクⅠ 「知識及び技能」を有するもの
ランクⅡ 「知識及び技能」が不足しているもの
ランクⅢ 「知識及び技能」が著しく不足しているもの
ランクⅣ   設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの

このうち合格するのはランクⅠの者だけです。
平成30年のそれぞれの割合ですが、
ランクⅠ 41.4%
ランクⅡ 16.3%
ランクⅢ 16.5%
ランクⅣ 25.9%
となっており、ランクⅣの25.9%は、試験制度見直し以降最も多い数字となりました。
一方で、ランクⅠは41.4%と例年と同水準のパーセンテージなことから、基本的には上位4割に入ることができれば合格する可能性が高い試験と言えます。

 

なぜランクⅣが増えたのか

平成30年は例年に比べてランクⅣが多くなりました。
これは個人的な推測にすぎませんが、原因は今年から要求項目として盛り込まれた、防火区画と延焼のおそれのある部分(延焼ライン)にあるのではないでしょうか。

特に防火区画については住宅を専門に設計されている方や、意匠設計以外の方には考え方がわかりにくく、うっかりミスが欠格事由と見なされた可能性があります。
・プールを2層使いにしたが、どちらかの階の竪穴区画を全て忘れた。
・竪穴区画を形成する必要がある階段・エレベーターの何れかの防火設備の記載を全て忘れた。
・面積区画の「特定防火設備」と竪穴区画の「防火設備」を逆転してしまった。
などなど、挙げだすときりがないですが、そのまま施工してしまうと(仮に確認申請が見落としで通ったとして)後々大問題になる項目は欠格事由までとはならずとも、ランクⅠからは落ちてしまう可能性が大だと考えられます。

また、延焼ラインやその部分の防火設備の抜けがあった場合も、完全に記載できていない場合はランクⅠからは落ちてしまう可能性が大だと考えられます。

事前告知された項目は、皆ができなければ合否に大きな影響はないと一般的に言われていますが、今回のように建物の法的性能に関わる内容は基本的に満たして当たり前のため、満たせなかった場合はランクⅣもしくはランクⅢになってしまったのではないでしょうか。

 

基本を的確にすることが合格への近道

製図試験は時間との戦いです。
本番は焦りからいろいろなものが抜け落ちる可能性があります。
これはあがり症の人だけでなく、ほとんどの人に当てはまると思います。

例えば以下の内容は一発不合格もしくはそれに近い大減点と言われています。
・エレベーターの上下階不一致
・階段の回り方向不一致、梁と当たって使えない
・要求図面の未完成
・設計条件の著しい抜け
・図面相互の重大な不整合
・構造計画の計画不足(スパンや陸立ち)     などなど

製図の問題を解いた経験がある方はよくわかるかと思いますが、上記内容がわかっていても抜けることがあります。
模試では合格ラインであってもランクⅣという結果になることも珍しくない試験、それが製図試験です。
合格率が約4割あるにも関わらず、難関とされているのは一発不合格がある、採点方法が非公開のブラックボックス、時間が足りない。ということが大きいのではないでしょうか。
時間位余裕を持てるようになると、見直し時間を確保できるため一発不合格や大減点を回避できる可能性が上がります。

よって大きなミスをしないよう確認できる時間を確保することが合格への近道となります。
製図試験の攻略法は順次公開していきます!自分の力を120%出し切って今年こそ合格を掴みましょう!