一級建築士 製図試験は毎年サプライズが出ます!|過去の事例まとめてみた

驚き一級建築士試験

こんにちは!
一級建築士試験の鬼門である製図試験ですが、毎年と言っていいほどサプライズが出ます!汗

試験当日まで予想もしていなかったような課題が出ることで、焦ってしまう人も少なくありません。
そこで今回は、サプライズに流れを持って行かれないよう事前に過去の事例を確認しておきましょう!
では早速、ここ数年に出題されたサプライズをご紹介します!

 

平成30年度 健康づくりのためのスポーツ施設

最新平成30年度のサプライズは、問題用紙がA2になったことでした。
これまではA3だったため、2倍になってしまいました!!

ただ、内容が2倍になったということはなく、延焼のおそれのある範囲や防火設備の凡例、敷地周辺建物の詳細な情報などが付加されたことが大きな要因でした。複雑化する各種条件から、必要な情報を取捨選択する能力も求められ始めたとも言えるかもしれません。

また、この年は廃校となった小学校をスポーツ施設にコンバージョンした敷地という条件で、元学校敷地全体との動線などの関係性を問われました。計画敷地内に駐車場・駐輪場を設けないパターン(広域敷地の一部というパターン)であり、練習課題にはあまり見られなかったために対応に困った受験生も多かったのではないでしょうか。

読み落としは大減点だが問題文の情報は取捨選択が必要であるということを肝に命じておきましょう!

 

平成29年度 小規模なリゾートホテル

平成29年度のサプライズは、エスキス用紙に敷地図が印刷されていたことでした。
エスキス用紙へのエスキスは、時間内に効率的に納めるために練習時から体系化していきます。
エスキス用紙の左上部分を占拠していることで、練習でやってきたレイアウトで検討できないことで苦戦した人も多くいました。
29年に敷地図が問題用紙からはみ出し、30年度についにA2に拡大されたという印象です。

また、要求室リストの上段に「全ての客室は、名峰や湖の眺望に配慮する」とあり、南側の名峰および湖に全く面さない北側客室を多く配置した人は失格となってしまったようです。
模試等で得点の高い人でも、本番で上記のようなミスをしてしまい失格となるケースも珍しくありません。慢心せず、落ち着いて試験に挑むことが大切です。

エスキスや作図の手法は体系化しつつも柔軟な対応ができるよう色々なやり方を試しておいた方が良いです!様々な学校や個人の手法がネットで公開されていますので、一度目を通して緊急時に活かせるようにしておきましょう!

 

平成28年度 子ども・子育て支援センター

平成28年度のサプライズは、学校では、杭基礎に対する対策を行っていたようですが、結果出題されず通常のベタ基礎もしくは布基礎での対応する必要があったことでした。
29年度や30年度のサプライズと違い、こちらは事前に様々なパターンを予測し練習することで対応できるものでした。

基礎形式に限らず、使える手数はできる限り増やしておくことが大切です!
特に環境手法や構造形式(基礎・ロングスパン梁など)、スパン割などは試験元も内容を理解せずに丸暗記してくる人をふるいにかけやすい部分です。数時間で覚えられるものばかりなので、電車や就寝前の時間を有効活用して身につけておきましょう!
それぞれの種類及び内容については別途解説します!

 

平成27年度 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅

平成27年度のサプライズは、5階建ての課題のうち基準階平面である3階に屋上庭園を設けることを要求されたことでした。
庭園は南側という固定概念を持っていると、北側アプローチとの整合が難しくエスキスがまとまりにくくなってしまいました。

また、事前告知されていた内容ですがこの年は免震構造が要求されました。
免震は動きがあるため建物周囲にクリアランスが必要になります。敷地に対する据え方を間違えると後で修正が大変になるため注意が必要でした。

各過去問や練習問題で様々な回答(学校の仲間や模範解答など)を見る癖をつけて、固定概念を持たずに柔軟なプランニングができるよう日々練習しておきましょう
特に、過去問から学べることは多くあります。少なくとも建築技術教育普及センターが公表している過去3年分の課題は印刷して図面表現に迷った時は参考にする癖をつけましょう!

 

平成26年度 温泉施設のある「道の駅」

要求建物は2階建で小規模であり、敷地は駐車場の一角ということでアプローチの決定や駐車場を計画しなくて良いことなど、例年に比べて時間に余裕があった年でした。

この年は特筆すべきサプライズは無かったと言えますが、製図試験の怖いところは、極限の精神状態で受けるため簡単だと逆に見落としをしていないか不安になることです。

練習課題で解けなくても本番は意外とすんなりエスキスが納まることもあります。
運なのか火事場の馬鹿力なのか、何であれ自分の力を信じてエスキスが早く納まればその分見直しを集中するということが大切です!
くれぐれも見直し時に間違えを見つけても慌てて消したりせずに、落ち着いて対策を考えましょう!緊張状態で慌てると、間違えの連鎖を起こしやすく合格が手から滑り落ちてしまいます!

 

平成25年度 『大学のセミナーハウス』

平成25年のサプライズは、敷地が接している道路は南側の1方道路のみということでした。
新制度となった平成21年度以降歩行者専用道路を含み1方道路は一度も出題されませんでした。(その後30年度まで出題されていませんので、そろそろ出るかもしれません!)
また、新傾向として「勾配屋根の形状を活かした室内空間となるように計画する」という要求が出されました。一方道路・敷地周辺の湖や樹林と勾配屋根の説明など複数の要素を合理的にまとめ、それを図面のみではなく計画の要点でも表現する必要がある試験でした。

道路はどのような条件で出るかはわかりません。アプローチの取り方はパズル的に覚えるのではなく、本質的にどうすれば使いやすいか常々動線を考える必要があります!
製図試験のコツの一つですが、誰の目から見ても納得できる動線(アプローチ)は少数派であってもさほど問題ありません。自信を持って書ききりましょう!

 

 

まとめ

以上、ここ数年の製図試験で出題されたサプライズでした!
過去に出題されたものは定番化することもあり、全く同じようには出題されないかと思います。(知っているものは、そもそもサプライズではありませんね。笑)
試験学校もデータを分析して練習問題に対策できるよう織り込んできます。

ただ、これらの情報を知っているだけで本番で少しは落ち着けると思います。
一つ確実に言えることは、「サプライズは貴方だけに見えるのではない。全員に課せられた試練なのだ」ということです。

サプライズの種類によりますが、大体皆同じところで手が止まったり頭を抱えます。
そこで自分の実力を出せないことこそが最大の敗因です!!逆に柔軟に対応できることが、相対評価である製図試験を勝ち抜くコツでもあります。
製図試験は約4割が合格する試験です。

製図試験は孤独な戦いです。試験当日は自分を信じリラックスして挑みましょう!!